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アシタカとサンはその後どうなる?アシタカがした覚悟

アシタカとサンはその後どうなる?アシタカがした覚悟

金曜ロードショーにて、「夏はジブリ」が今年も開催されています。

 

今回は1997年に公開された長編アニメーション映画作品、『もののけ姫』について考察をしてみようと思います。

当記事はネタバレを含みますので、まだ鑑賞されていない方はご注意ください!

 

 

もののけ姫のテーマとは

もののけ姫では、「対立」が大きなテーマになっていると言えます。

森と人、人と人、作中ではさまざまな立場同士がぶつかり合い、大きな戦争に発展していました。

 

そんなもののけ姫のラストシーンでは、アシタカとサンとでこのようなやりとりがなされます。

 

サン「アシタカは好きだ。でも、人間を許すことはできない」

アシタカ「それでもいい。サンは森で、私はタタラ場で暮らそう。ともに生きよう。会いにいくよ。ヤックルに乗って」

 

サンとアシタカは互いを大切に思っているようですが、「同じ場所」で生きていくという選択はしませんでした。別々の場所で生きていくというのは、少し寂しいようにも感じてしまいます。

 

少しだけ心にしこりが残るようなこのセリフ、いったいどのようなメッセージを私たちに伝えたいのでしょうか。

そして、アシタカとサンはどうなっていったのでしょうか。

(引用:https://www.ghibli.jp/works/mononoke/)

 

もののけ姫に見る「対立」

まず、もののけ姫で起こる対立の理由について少しだけ触れようと思います。

それは、それぞれが別のものに対して「必死さ」を抱いているからだと考えられます。

 

主人公であるアシタカは、旅をする中で、森と人との共存を実現することに、必死さを抱くようになります。

だから、タタラ場を襲撃して危機に陥ったサンを命懸けで助けるのですし(文字通り、アシタカは一度死んでしまいますね)、危険な橋を渡って、エボシたちが目論むシシ神殺しを阻止しようとするわけです。

 

もう一人の主人公ともいえるサンは、自らが育ったシシ神の森を守ることに必死さを抱いています。だから、危険を冒してまでたたら場にいるエボシの命を狙いにいくのだし、負け戦と分かっている猪たちと共に戦いに行くわけです。

(引用:https://www.ghibli.jp/works/mononoke/)

 

一方、人間界代表とも言えるタタラ場のリーダー、エボシ御前は、タタラ場を豊かにすることに必死さを抱いています。宮崎駿監督は、エボシについて以下のように述べています。

 

​​「エボシは自分が考えている王道楽土を作りたいだけ。そのために邪魔が入れば殺す事も、犠牲も、自分自身を犠牲にする事もいとわない。」

 

タタラ場を豊かにするためには、山を切り開いていかなければならない。その上で、シシ神というのは邪魔な存在だったのです。

だから、自分も他人も、多くの犠牲を払いながらシシ神殺しをするわけですね。

(引用:https://www.ghibli.jp/works/mononoke/)

 

それぞれが、それぞれにとって大切なもののために必死になっている、だからこそすれ違いが起きて対立になってしまっているということですね。

 

最後のセリフが示す意味

物語終盤では、森と人と、対立するすべての立場がぶつかり合う戦争が勃発します。この戦争はアシタカとサンの機転と勇気によって、無事平定しました。

 

冒頭でご紹介したセリフは、この戦争が終わった後に交わされたものでした。ここからは、それぞれの「必死さ」のすれ違いによって起こっていた「対立」が、完全には解消されていないということを読み取ることができます。

 

プロデューサーである鈴木敏夫氏へのインタビューによると、アシタカとサンはその後仲良く、共に生きていったと言います。ただしアシタカは、サン(≒森)とたたら場の人々(≒人間)とが共存していくために、多大な努力を払うことになる、とも発言しています。

 

それでは、アシタカはどのような努力をすることになるのでしょうか。

ここで、アシタカは、本作品において唯一「自分から頭を下げる」ことができる人物だということがポイントになります。

 

物語冒頭を思い出してみてください。

 

アシタカは、村を助けるためにタタリ神を倒しました。英雄だと称えられてもいいはずのことをしたのに、呪いを受けたという理由で彼は村から追い出されてしまうこととなります。この境遇、彼にとって納得のいかない部分も多少なりともあったと思うのです。

 

しかしここで、文句ひとつ言わず、潔く村を去っていくことができる人間がアシタカでした。

(引用:https://www.ghibli.jp/works/mononoke/)

 

森陣営と人間陣営はラストシーンでもなお、自分たちが正しく、相手が悪いとお互いに思っている状況です。それぞれの「正義」に固執していては、いつまでも対立は収まらず、その溝は深まるばかりです。

 

こういった状況で、多少納得のいかない部分があったとしても、自分が折れる選択をすることは、歩み寄りを実現するための第一歩といえます。

アシタカは、自らが持つこのような姿勢を、森陣営と人間陣営の双方に伝えていくという「努力」をすることになるのではないかと思うのです。

 

他人同士、分かり合えない部分は必ず出てくると思います。そうなった時に、簡単に決別してしまっては何も得られません。

 

しかし、そこで共に生きるための努力をする覚悟を持つことができれば、何かが得られる可能性が生まれます。

 

共に生きる覚悟、それがその後の幸せにつながっていくのかもしれないと思うのです。

 

 

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めいちゃん

教育学部で勉強中。生き方はジブリから学びました。トトロのめいちゃんみたいな健康女子になることが夢。