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幸せの秘訣は所得・学歴より「主体的」な自己決定にあり

幸せの秘訣は所得・学歴より「主体的」な自己決定にあり

 

こんにちは!法学部3年、編集長の河内です。

 

皆さん、今、幸せですか?

 

「やりたいことができていて、毎日充実している」「仕事や勉強が忙しくて疲れちゃった」などなど、人によって様々でしょう。

 

では、幸せって測ることができるものだと思いますか?

 

「ブータンが世界一幸せな国だ」という話を聞いたことがある人はいるかも知れません。世界一、ということはランキングがあって、ランキングがあるということは何かしらで幸せを測っていることになりますよね。

 

実は国連に「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク」(SDSN)という機関があります。ここが毎年『世界幸福度報告書』を発行して、世界ランキングを発行しているのです。

 

この2021年報告によると、世界149カ国を対象とした調査の中で、日本は56位。G7の中では最下位となっています。ちなみに、ブータンは2019年に95位に留まって以来ランキングに登場していません。「世界一」ではなくなっていたんですね。

 

もちろん、「順位が高ければとにかくいい」という単純な話ではないと思います。しかし、日本が世界的に見ても「幸福度」が低いとされているのは事実。

 

では、私たちはどうしたら幸せになれるのでしょうか?

 

そのヒントが、主体性にあるのです。

 

幸福度に関する研究

2018年、神戸大学と同志社大学の研究者によって、『幸福感と自己決定ー日本における実証研究』という研究が発表されました。

 

この研究は、日本人2万人を対象としたアンケート調査の結果をまとめたものです。調査では、所得・学歴・自己決定・健康・人間関係の5つを説明変数として、どの要因が幸福感を決定する上で重要なのかについて議論しています。

 

これら5つの要素のうち「自己決定」を調査するにあたっては、「高校・大学の進路を誰が決めたか」という趣旨の質問を用いています。

 

その結果、自己決定が、健康と人間関係に次いで重要であることが明らかになりました。言い方を変えれば、幸せになるためには、所得や学歴よりも自己決定のほうが重要だということです。

 

一般的には、「学歴が高いほど幸福」「お金持ちほど幸福」というように、「結果」を重視している人が多いかもしれません。

 

しかしこの調査が明らかにしたのは、「人生における選択を自分で行ったかどうか」、すなわち「プロセス」のほうが重要だということです。

そして、この自己決定は、主体性とも大いに関わっています。

 

自分の進路を自分で決める、という営みは、まさしく主体的だということができますよね。

 

以前僕の書いた記事では、主体性を「自分なりの決断に基づいてひたむきになること」と定義しました。

勉強嫌いだった僕が主体的に勉強して東大に合格するまで

 

たとえ結果が思うようにいかなかったとしても、「自分なりの決断」によって進路を歩むこと、主体的に自己決定を行うことで、幸せになれると言えるのではないでしょうか。

 

さらに、幸福度調査の方を確認してみると、日本は他国に比べ「人生の選択の自由」「寛容さ(直近に寄付などを行ったか)」が低いことが分かりました。

 

「人生の選択の自由」とはまさしく自己決定そのものですよね。この要素が低い、すなわち人生の選択の自由があまりないことが、日本の幸福度の低さにも影響を与えている可能性があります。

 

もう1つ低かった「寛容さ」も、必ずしも恵まれなかった他人の「選択の自由」を保障する行為と言えるかもしれません。

 

自己決定のためには、「好き」と「基準」が大切

では、自己決定をするにはどうしたらいいでしょうか。色々な要因があると思いますが、特に以下の2つが重要になるでしょう。

 

まずは、「決定したいと思える事柄、好きな事柄」を見つけることが大切です。

 

みなさんが好きなことに取り組むときのことを考えてみてください。

 

そもそも「何を好きになるか」ということは、ほとんどの場合自分で決めたことですよね。

 

そして、その好きなものを追いかける時には、「誰かに言われたから」やるのではなく、「自分が好きだから」「好きなものをもっと知りたい、追いかけたい」という感情でのめり込んでいくのではないでしょうか。

 

僕が法学の参考書や教授のことについて調べているのも、別に誰かに言われてやっているわけではありません。それを調べて知識が増えるのが純粋に楽しいから、自然とそのことに向かっているのです。

東大生のオタク性を描く~大学教授オタク~

 

これがわかったら、次に好きなことへのエネルギーを他のことに活かしてみましょう。

 

苦手な勉強や仕事など、どうしても好きになれない、でもやらないといけない、ということが人それぞれあると思います。

 

これらを「やらされる」のではなく、「自分で決めてやる」という主体的姿勢にするには、やるべきことの中から「好きだ」と思える部分を見つけてみましょう。

 

こうすることで、「やらないといけないから仕方なくやる」という受身の姿勢を抜け出して、「好きに向かって自分の思うように進める」という自己決定ができるはずです。

 

そしてもう一つが「基準を設ける」ということです。決断をするためには、何かしらの基準に照らし合わせて、それに基づいて考えることが必要になります。

例えば進路を決めるなら、「法学を勉強したいから、最低限法学部がある学校が良い」や、「家から〇〇分以内で通える学校がいい」などと考えて決めることになるでしょう。ここでは、学部や通学時間が決断の基準になっています。

 

まずは自分が重視する評価軸をいくつか挙げてみましょう。これが基準になります。

 

その上で、自分が今検討している選択肢が、それぞれの基準をどれくらい満たしているのか、点数で表したり、順位付けしたりしてみましょう。そうすることで、納得の行く決断をすることができるようになるはずです。

 

自己決定のためには周りの支えも必要

もう1つ大事なこととして、「周りの支え」があります。

 

僕は、自分で今とても幸せだと思っています。もちろん、東大に行って勉強できているという「結果」は、その幸福度を支えるのに一役買っています。

 

しかし、それ以上に、誰からも「〇〇大に行け」と言われなかったこと、自分で自由に進路を決めさせてもらえたことこそ、この幸せに関わっていると感じるのです。

 

僕の出身高校には、なんと三者面談がありませんでした。普通(?)の高校なら、先生・親と一緒にテストの結果を見たり、普段の様子を話したりしながら進路を決めるための三者面談が複数回用意されているはずですよね。

 

ではなぜ僕の高校には三者面談がなかったのか。理由の一つは、「自分のことだから、最終的には自分で決めてほしいから」ということでした。

 

誰かから言われるがままに進路を決めて、その結果として優秀な学歴という「結果」を手に入れられたとしても、そこに「自己決定」はありません。

 

自分の進路について主体的に決定できなければ、十分な幸福感も得られない。

 

僕の高校も、そういう考えが根底にあったからこそ、個人の決定を重んじてくれていたのではないかと今思います。

 

これは、高校側が僕たち生徒のことを尊重してくれて、先生方もその方針に賛同してくれて、親もそんな学校や僕たちを信頼してくれたからこそ成立したものです。

 

学校、先生、親、または同期の友人の誰か一人でも「こちらの言うことも聞きなさい」「自分だけの意見では決めさせない」「自分だけで決めていいのか」と言っていたら、自己決定を貫くのは非常に難しかったでしょう。

 

進路を決める僕たちは、まだせいぜい中学生や高校生。世間について知っていることは限られていることもあって、周囲の人から言われたことから受ける影響は大きいです。

 

最初に紹介した研究によれば、この時期の進路決定は将来に渡っての幸福度に大きく影響すると言えます。そう考えると、周囲の人が自己決定を支えてあげられるかがいかに重要か、わかってくるでしょう。

「自己決定をしようとしている人」がもしあなたの周りにいたら、ぜひその人の決定を支えて、応援してあげてほしいです。

 

いかがでしたか?自分なりに、主体的に決断することによって、自分が今幸せだと感じることができるようになってくるはずです。

 

参考

マネーポスト|ブータン「世界一幸せな国」の幸福度ランキング急落 背景に何が?

西村 和雄=八木 匡「幸福感と自己決定―日本における実証研究 (改訂版)」(2020)

日本大百科全書|世界幸福度報告

The World Happiness Report|Statistical Appendix 1 for Chapter 2 of World Happiness Report 2021

東洋経済オンライン|「決断疲れ」を起こす人は「判断軸」を知らない

河内誠人のプロフィール画像

河内誠人

カルペディエムLIFE編集長。法学部で勉強中。数年ぶりに紙のカードゲーム(デュエルマスターズ)復帰しました。