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自分で自分の「やる気スイッチ」を見つけられる人が勝つ

自分で自分の「やる気スイッチ」を見つけられる人が勝つ

 

みなさんは「やる気スイッチ」という言葉を聞いたことはありますか?10年ほどむかし、個別指導塾のスクールIEが放映していたCMで使われた言葉です。当時を生きていた人間としては、この言葉は大流行したように思います。

 

なんといっても、「やる気スイッチ君のはどこにあるんだろう~♪」というCMの挿入歌が大変印象的でした。いろいろなパターンのCMがあるのですが、僕が一番気に入っていたのは「ぼくだけのやる気スイッチ」編です。

 

他の子どもたちの「やる気スイッチ」が目につく中で、自分の「やる気スイッチ」が見つからず悩む少年が、スクールIEの先生に見つけてもらう。スイッチを押された少年は、顔を真っ赤にしながら雄叫びをあげ、溢れ出る「やる気」を抑えきれず上半身裸のままで夕暮れの街に飛び出していく……という内容です。

 

いま見ても「誰がこんなの考えたんだコレ」と言いたくなるような前衛的すぎる内容ですが、個別指導塾のアピールとしては、これ以上ないほどに分かりやすかった。面白おかしいテイストでありながらも、視聴者に「スクールIEに行けば、自分もやる気が出せるようになるかもしれない!」と思わせるには十分だったのです。

 

当時小学生で勉強をサボりまくっていた僕も、親から「やる気スイッチどこだろうね~」とからかわれていたことが思い出されます。

 

もちろん、このCMの意図するところは「スクールIEの指導を受ければ、お宅のお子さんもやる気に満ち溢れさせて見せますよ」というアピールです。まさか、この塾では本当に生徒を半裸にして「やる気スイッチ」を探しているだなんて思った人はいないでしょう。

 

では、現実に「やる気スイッチ」はあるのでしょうか?塾講師や家庭教師をしていて「やる気が出ません」という相談を受けることが多々ありました。僕自身が高校生だった時も「やる気スイッチが本当にあればなぁ」と何度思ったことかわかりません。

 

確かに、僕らの体には「やる気スイッチ」なんて便利な代物は備わっていません。ですが、「やる気スイッチ」を作ることはできます。「やる気スイッチ」は、誰かに押してもらうものではなく、自分で作って自分でオンオフを切り替えるものなのです。

 

今日は、みなさんに「今日からできるやる気スイッチの作り方」についてお伝えします。

 

 

やる気スイッチはどこにある?

 

押すだけでやる気があふれ出て止まらなくなる、魔法のようなスイッチ。そんな「やる気スイッチ」はいったいどこにあるのでしょうか?

 

詩的で陳腐な表現になりますが、「やる気スイッチ」は我々の心の中にあります。これは全く冗談ではなく、我々のメンタルを直接切り替えるための一連の取り組みや集中法こそが、「やる気スイッチ」の正体なのです。この「やる気スイッチ」を切り替える方法のことを「ルーティン」と言います。

 

ルーティンというのは、「決まり切った動作」を指す言葉です。ルーティンには「決まったタイミングで決まった動作を行うことで、集中力を引き出す」という効果が期待されているのです。

 

どうしてルーティンを行うと、集中力が維持できるのか。それは、「ある動作Aを行う」⇒「集中」の流れを何度も反復して続けるうちに、体が「動作Aをしたらすぐに集中するんだ!」と覚えるからです。

 

人間の体とは不思議なもので、一定の動きを反復していると、反射で体が動くようになります。それを利用して、「この動作をしたら集中」というセットを体に覚えさせることで、強制的に集中状態を引き出すのですね。

 

ですから、ルーティンは続けなければ効果がありません。特に、「この動作をしたら集中」というセットを覚えるまでの最初のうちは、全く効果が実感できないでしょう。

 

しかし、習慣化したルーティンを続ければ続けるほど、絶大な効果が期待できます。どれほど集中できなくても、ルーティンをすれば一瞬で深い集中モードに切り替わることができるのです。

 

 

ルーティンはどうやって作るの?

 

それでは、やる気スイッチ改めルーティンの作り方を解説しましょう。といっても、作り方はいたって簡単。今日から、勉強をする前に必ず何か決まった動きをしてから勉強に入るようにしてください。

 

決まった動作というのも、何でも大丈夫。例えば、僕の場合、勉強する前や部活の本番の前など集中が必要な時に「目をつぶって机の上に手を置き、ゆっくりと深呼吸を数回行う」ことをしていました。これくらい簡素なものでも大丈夫。大事なのは、「ある決まった動作を決まったタイミングで行う」ということです。

 

他にも、ルーティンとしては例えば、こんなものがあるでしょう。

 ・コーヒーなど決まった飲み物を飲む。

 ・決まった言葉をつぶやく(鬼滅の刃の「反復動作」もこれです)。

 ・決まった音楽をかける。

 

僕以外にも、このような習慣づけを行っている人はいます。例えば、僕はもともと吹奏楽部に入っていたのですが、その時のコーチは、本番のステージに上がるときに必ず左足から入場するようにしていたといいます。野球のイチロー選手などは「バッターボックスでバットをピッチャーマウンドに向ける」という動作をしていますし、体操の内村選手は「演技に入る前に手を前で交差させる」という動きをしていますね。

 

先ほども述べましたが、最初のうちはどうしても気合が必要になります。ルーティンはあなたのやる気を2倍、3倍と増やすものであって、やる気を0から100にする魔法ではないからです。

 

もちろんどんな人にもやる気スイッチはありますが、しかし、スイッチを押すだけのやる気は自分で出さなくてはいけません。ルーティンを作るのにも、最初のうちは自分でやる気を出してやらなければいけないのです。

 

 

ルーティンの第一歩

 

「分かってはいるけど、なかなかやる気スイッチが押せない」という人のために、「やる気スイッチ」の初歩の初歩までお伝えしましょう。やる気が出ないという人は、「とりあえずその準備だけでもする」ことがおすすめです。

 

例えば、勉強なら「机の前に座って教科書とノートを開いてみる」だけでいいですし、部活などなら、「とりあえず顔を洗って歯を磨いて、服を着替えて、家から出る準備をしてみる」だけでも結構です。

 

もちろん、「机の前に座って教科書とノートを開いてみたけど、全くやる気にならない」というなら、そこまでで結構です。その日はもう全部片づけて寝てしまいましょう。ただ、諦めるまでに5分間だけ待ってみてください。

 

もちろん、この時にスマホやゲームなどは触ってはいけません。5分間は教科書とノートと自分だけの空間に籠ってください。そして、これをやはりなるべく毎日、それも決まった時間に続けましょう。

 

夜、学校から帰ってきて、嫌だけど、とりあえず19時になったら教科書とノートを開いて、5分間だけ机の前に座ってみる。これだけでも結構ですから、毎日やってみてください。きっと、いつか自然と教科書に手が伸びるでしょう。

 

そして、勉強に手が伸びるようになったら、今度はそれが習慣化されます。すなわち、「19時になったら、教科書とノートを机に開く」ということがルーティンとなり、自然と勉強に入ることができるようになるはずです。

 

コツは、やはり続けること。そして、スマホやゲームなどは勉強する部屋には置かず、別の部屋に置いておくこと。塾など出先なら、鞄の奥底に、必ず電源を切ってしまっておくことです。

 

机の上に置く、もしくはポケットに入れておくなんてことは絶対にお勧めしません。スマホが目に見える範囲にあるだけで頭が悪くなるという研究結果が出ているからです。これについて気になったならアンデシュハンセンの『スマホ脳』という本が出ていますので、読んでみるといいでしょう。

 

みなさんのやる気スイッチはいったいどのようなものでしょうか。これから勉強していく中で、「自分のやる気スイッチはなんだろう」と意識して作ってみるといいかもしれませんね。

 

 

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編集部より

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布施川天馬のプロフィール画像

布施川天馬

自称「貧困東大生」。本を出したりWebメディアに記事を書いたりして生活してます。将来は雪が降る街に住みたい。