
公開 : 2021.09.02 | 更新 : 2021.11.22
”やる気が出ない病”を克服する
何かに主体性をもって取り組もうとするとき、モチベーションが必要になってきます。このモチベーション、簡単に持てるものなら苦労しないのですが、実際はなかなか難しいものです。「やらないといけないけどやる気が出ない……」そんな思いを抱いた経験のある人も多いのではないでしょうか。
私もこの”やる気が出ない病”にたくさん悩まされました。
この記事では、やる気が出ない病を克服し、モチベーションを生む方法について考えていきたいと思います。
アメリカの研究
アメリカのローチェスター大学は、モチベーションを生むために重要なものを研究しているそうです。以前、Yahoo!ニュースでもこの研究が取り上げられていました。(参考:https://news.yahoo.co.jp/articles/bcabea351ea665a2e5a4ec4b4590340d2450cf6a?page=1)
そこの研究チームがいうことには、モチベーションを生むためには、「つながり・有能感・自発性」が必要だというのです。
まずは、つながり。他者のために何かをしたり、協調して何かに取り組んだりすることで、ドーパミンが分泌されて脳の報酬系が活性化する、つまりは気持ちいいという感覚が生まれるというのです。
次に、有能感。〇〇ができた!という感覚も同様に、ドーパミンが分泌されるということです。嫌いだった科目がわかるようになった時、好きな科目になるというようなことは往々にしてあるように思います。
最後に、自発性。やらされているのではなくて、自分で進んでやっている。その感覚も、これまでの二つの要素と同様に、脳を活性化するというのです。
これは自己決定理論と呼ばれ、21世紀の心理学のトレンドを作るほどの大きな反響を呼びました。これらもモチベーションを生み出すためには有効なものだと言えそうですが、私はもっと大事なことがあると考えています。
それは、「未来を想像できること」、そして「自分で動かしている実感があること」です。
私は高校生の時、ギネス記録に挑戦しました。「凡人高校生が世界一になれた話」という記事の中でも紹介していますが、最初は全くやる気のない状態でスタートした企画でした。しかし、最終的にはモチベーションを持って、主体的にこの企画に取り組むようになっていった。その背景にあったと思うのが、この2つの要素なのです。
未来を想像できること

ここで少し、登山の話をしてみたいと思います。
山頂に向かう最中、周りが濃い霧で覆われてしまい、山頂も何も見えずただ彷徨っているときのことを思い浮かべてみてください。前進しているのか後退しているのかも分からず、この道であっているのかただただ不安に感じてしまうと思います。
この場合、山頂にたどり着くという未来を想像することはなかなか難しいと思います。未来を想像できていないと、自分が成功するイメージを持つことも難しくなってしまい、「失敗してしまう」という観念に取り憑かれてしまいかねません。
こうして「絶対に山頂には辿り着けない!」と思っているようでは、頑張って登っていこうという意志も長くは続かないものなのです。
逆に言えば、山頂、もしくは次の休憩ポイントを見据えた状態で登って行くことができれば、モチベーションは継続できるものです。ゴールが見えていれば、自分の進むべき道が正しいのか、間違っているのかを判断する事ができるということですね。
ギネス挑戦において、最初は当日の実施イメージが全く想像できませんでした。実施しようとしているイベントの規模が、高校生が想像できるものを超えていたんだと思います。
それを解消すべく、他のイベントを参照したり、当日の動きを詳細にイメージしていく中で、成功イメージを段々と作り上げていきました。すると、これなら成功できる、という気持ちにつながり、モチベーションにもつながったのです。
つまりは、未来の自分が成功しているイメージを持つ事ができれば、そこに向けて頑張りを継続できるということなのです。
自分で動かしている実感があること
学校の美術の時間には、さまざまなものを作る機会が与えられます。水彩画で自画像を描いたり、粘土で空想のキャラクターを作ってみたり。私は美術が得意ではなかったので、「上手」と言ってもらえるような完成度の作品を生み出すことはなかなかできませんでした。
とはいっても、自分が時間をかけて作った作品。下手でもなんでも、なんだか愛着が湧いちゃうんですよね。実際、私が高校生の時に作った粘土の石の作品は、今もなお実家の玄関に置かれています。
こういったことって、取り組んでいる活動やプロジェクトにも同様に言えることなのではないかなと思います。何かに取り組んでいる時、自分が手を動かすことによってこのプロジェクトは進んでいるんだ、という実感を持つことができれば、美術の作品同様に愛着が湧いてくると思うのです。
ギネス挑戦の初期は、やる気のある一部の先生が提案したものを受け入れて、それに沿って進めていくという形式になっていました。しかし、先述したように当日の成功イメージができるようになってモチベーションが生まれたことで、より主体的に提案を行ったり、関係各所に働きかけを行ったりするようになりました。
すると次第に、自分がこの企画を動かしているんだ、という実感が持てるようになったんですよね。この実感が、私のモチベーションをより強化してくれたように思います。
この活動は自分が前に進めているんだ、そう思えるように活動をしてみると、自然と愛着が湧いて、モチベーションも生まれるのではないかなと思うのです。
まとめ
未来の成功イメージをすることによってモチベーションを生み出し、自分で動かしている実感を持つことによってそのモチベーションを継続させる。
勉強においても、仕事においても、この2つの要素は有効なのではないかなと思います。
この記事が、モチベーションを生み出したいと思っている方の参考になれば幸いです。
めいちゃん
教育学部で勉強中。生き方はジブリから学びました。トトロのめいちゃんみたいな健康女子になることが夢。