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教員就職率〇%!? 東大の教育学部は一体何を学んでいるのか

教員就職率〇%!? 東大の教育学部は一体何を学んでいるのか

 

突然ですが皆さん、「教育学部」と聞いて、どんなことをする学部だと考えますか?恐らく多くの人は、「学校の先生になる」というイメージを持つのではないかと思います。

 

僕が教育学部への進学を決めたのは半年ほど前のことですが、この半年間で色んな人に自分の進路を打ち明けると、「てことは教員になるんだね」という反応をされることが多々ありました。

 

いや、マジで多かった。家族や親戚に言うと百発百中でこうやって返されるんだもん。

 

と愚痴を漏らしたくもなるところですが、このような返答をする人たちの気持ちもめちゃくちゃ分かります。

 

だって「教育学部」ですもんね?そりゃあ「教育学部=教員」と思いますよね?

 

ですが実は、東京大学に「教育学部」が設立された主たる目的は「教員養成」だけではないのです。もう一つ大きな目的があるのです。

 

それが、ズバリ「教育学の研究」です。東京大学ではこの「教育研究」に力を入れているため、他の大学と比べて、教職ではなく研究職に就く人の割合が高いのです。

 

しかし、「教育研究」と言われてもイマイチ中身が掴みづらいですよね?

 

ぶっちゃけ僕もそう思います。

 

教育を研究する、という言葉が理解できないわけではないのですが、幅が広すぎてフワッとしている印象があると思います。

 

ということで今回は、実際に東大の教育学部にいる僕が、実際に東大の教育学部ではどのような目的でどのような授業が行われているのか、紹介していきたいと思います!

 

①「東大教育学部」に入っても教師にならない人が多い、、!?

②なら、東大教育学部は何を学んでいる、、??

 

 

 

①「東大教育学部」に入っても教師にならない人が多い、、!?

 

さて、冒頭でもありましたが、東京大学は教育学部が教員養成だけの目的で設立されているわけではないんですね。そのため、教師になる人の割合は他の大学の教育学部に比べて低くなっているのです。

 

では、実際どのくらいなのでしょうか?

 

ここでこの記事自体のタイトルの話になるんですね。この「教員就職率〇%」というところ、正解は「3%」です。

 

もちろん年によって多少変動はしますが、毎年このくらいの数字にはなります。東大教育学部は毎年100人程度の定員であるため、単純計算すると毎年3人ずつしか教師になっていない、という計算になります。

 

とんでもない割合だと思いませんか?もちろんこの数字はあくまで「就職率」であって、教員免許を大学在籍中に取得する人の割合はもっと高い数字になります。

 

しかしいずれにせよ、教育学部に在籍する人の大多数が、教員になることを目的に学んでいる訳ではない、ということになります。

 

じゃあ教育学部って一体何をやっているの?どんなことを学んでいるの?

という部分を、次のパートで実際の授業を例に挙げつつ説明していきます!

 

 

 

②なら、東大教育学部は何を学んでいるの、、??

 

さて、ここが皆さん気になるところですよね?教育学部が教員免許を取らないなら、どんなことを学ぶのか、と。

 

結論から言うと、非常に幅広い学問と教育を織り交ぜて学んでいます!

例えば僕が今受けている授業を挙げてみても、「道徳と教育」や「文化と教育の哲学」、「教育心理」や「社会教育学」など、教育と色んな分野を融合させた講義が非常に多く存在するのです。

 

この中から今回は、「文化と教育の哲学」で最近行った授業内容を少し抜粋して説明しようと思います。

 

突然ですが皆さんは、こんな経験をした、あるいは見たことはありませんか?

 

電車に乗ると、7人座り用の横長の座席に、5人の人が中途半端に隙間を開けて座っていて、もうどこにも座れない、あるいは座りにくい状態になってしまっている

 

これ、非常にあるあるなシーンだと思います。ではここで一つ考えてみましょう。

 

この問題を解決するためには、どんな方法がありますか?

 

こう問われると、例えば「座席を譲り合って座るようにアナウンスする」だとか、「座席を必要以上に広く使っている人には罰則を設ける」など、制度規範に訴える解決方法を考える人が多いと思います。

 

ですが、ここにもう一つ「空間」を変えるという考え方を加えるとどうでしょう。

 

具体的に言います。この7人座り用の座席が、一人一人の境目が盛り上がっている形状になっていたらどうでしょうか?

 

わざわざその座りにくい盛り上がり部分に座ってスペースを確保する人は格段に減り、7人座れる状態が作りやすくなるのではないでしょうか?

 

このように、制度を整えたり、人々のマナーを育んだりするという方法だけでなく、空間を変えることで人々を制御する、という方法もあるのです。

 

この「方法」をいかに考えていくかを、この授業では学んでいます。

 

どうでしょう。ちょっと面白そうじゃないですか??

 

もちろんこれは一例なのですが、東大の教育学部では、その物事の本質を捉えたり、問題の根本の原因を考えて解決方法を模索したりする授業やディスカッションが多くあります。

 

そこの議論で得た知識を、実際の教育実践に活かしていくのです。

 

 

さて、ここまで東大の教育学部について、具体例を挙げて説明していきました。

 

繰り返しになりますが、大学の中での教育学部の目的は大きく2つです。

①教員養成

②教育学の研究

 

この2つは同じ「教育学部」という括りになっていますが、内容は思っている以上に違うと思います。人によってどちらがより興味を惹かれるか、も変わってくるのではないでしょうか。

 

今この記事を読んでいる中で、教育学部に少しでも興味がある人、または今回興味を持ってくれた人は、更に各大学の教育学部について詳しく調べてみて、この2つのどちらに力を入れているのかまで見てみると面白いかもしれません!

 

永田耕作のプロフィール画像

永田耕作

東京大学理科一類から教育学部に進学。現在3年生。教育事業部の実働、講演担当。大の旅行好きで、日本中を飛び回ってはその場所にあるストリートピアノを弾くことにハマっている。現在31都道府県のストリートピアノを踏破。