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『東大1年生に「なに専門に勉強してるの?」と聞いてはいけないワケ』

『東大1年生に「なに専門に勉強してるの?」と聞いてはいけないワケ』

 

はじめまして、東京大学文科三類2年生の窯戸いとです。

早速ですが皆さん、

 

「東大に入ったあとは何を勉強するんだろう??それはそれは難しい専門的な勉強をしているに違いない…!!」

 

このようなこと、一度は思ったことありませんか?私は受験生の時、大学案内パンフレットや、webで公開されている授業カタログを見ては、「うわ…これ自分もほんとにやるのかな…」と、若干不安を感じていた覚えがあります。

 

そしてもし、実際に東大生が目の前にいたら、とりあえず「東大でなにを専門に勉強しているの??」と尋ねてしまうかなと思います。実際私も、サークル、バイトなどで初対面の人と話すたびに聞かれました。でも、できればこの質問はされたくない…というのが本音です。

 

どうしてかというと、言葉に詰まって即答できず、数秒、微妙な空気が流れてしまうから。

 

そう、実はこの質問、東大1年生にとってはかなりの難問なんです!!

え?どうして?と思ったあなた、今回はその理由を、東大1、2年生に開かれた多様な学びの場を紹介しながら、お伝えしていきます!

 

 

 

東大の最大の特徴「遅い専門化」

 

「なにを専門に勉強をしているの?」という質問に即答できない理由は、東大特有の学びのシステムにあります。東大のカリキュラムの最大の特徴は「遅い専門化」です。

 

詳しく説明しましょう。最初の1年半は教養学部に所属していろいろなことを学び、2年次に専門学部(法学部、工学部…など)を決めて、3年次にようやく専門学部に進学します。つまり、他大生より2年遅く専門科目の勉強を始めることになるのです。

 

ちなみに、この「進学する専門科目の決定」というのが、「進学選択」、別名「進振り」というものになります。

 

さて、入学して1年半は教養学部に所属し、専門科目を決めずにいろいろなことを学ぶ、と言いました。私が東大に入って最初にびっくりしたのは、この「いろいろなこと」の幅広さ、つまり受けられる授業の多様さにほかなりませんでした。

 

何でも学べる東大の教養学部では、こんなことも東大でできるの?と驚くような授業も含め、多くの個性豊かな授業がたくさん開講されています。くまなく紹介したいところですが、今回は「これぞ東大教養学部の醍醐味」といえるような授業を3つに分類してご紹介します!

 

 

 

知的好奇心に文理は関係ない!いろいろな世界を垣間見ることができる授業

 

まず一つ目の醍醐味は、文科生が理系寄りの授業を、理科生が文系寄りの授業を自由に受けることができる、ということです。

 

これだけ聞くと、「えぇ、大学に入ってからも文系は数学をやらないといけないの?」「理系の自分に文系のトピックは刺さらないよ!」なんて思ってしまう人もいるかもしれません。しかし、大学の授業は高校までのそれとは一味も二味も違います!

 

例えば文科生がとる理系の授業でいうと、農業関連や宇宙関連のものがあります。こうした授業では、一般的には「理系科目」として扱われることの多い学問領域を、政治・経済・歴史など文系的な視点から考察する考え方を学ぶことができます。

 

実際私は昨年、農業に関する授業をとりましたが、食糧生産と市場価格の関係性や、農政史など、まさに文理融合的な内容を学ぶことができ、終始目からうろこでした!

 

また大学では、ただ教授のお話を聞くだけではなく、学生同士の意見交換を通じた学びの場が当たり前のように用意されています。文科生・理科生両方が受講している授業では、普段は関わることの少ない学生と話し合うことで、自分では思いつかなかった考えや知識に出会うことができます。

 

英語の授業でグループプレゼンを作った際、エネルギー利用技術に興味のある理科生と、再生可能エネルギーの普及に関心のある文科生とで、お互いの強みを活かしながら協力することができ、とても刺激的な経験になりました。

 

自由にいろいろな授業をとり、いろいろな世界を垣間見て、いろいろな視点に触れる。この貴重な経験のために必要なのは、知識より知的好奇心でしょう。幸いなことに、知的好奇心に文理は関係ありません!

 

面白そう、もっと知りたい、という気持ちにブレーキをかけることなく、いろいろな学問を見て回れるのです。これが東大前期教養のいいところです!

 

 

 

知識の先にあるもの「考える力」を養う授業

 

さてお次は、「東大はお堅そう」というイメージとは裏腹に、柔軟な思考や創造力が試されるユニークな授業をご紹介しましょう。

 

例えば、私が最初の学期にとったゼミ形式の授業。最終課題のお題は、「SDGs達成に貢献するプロジェクトを考案する」でした。実際にプロジェクトを動かしてみるところまではできなくとも、些細なアイデアをとことん深めていく楽しさを味わうことができました。

 

また政治の授業の期末テストの問題は「あなたが火星に国を作るとしたらどの政治制度を選びどう統治するか」という、なんともユニークなものでした。

 

これらの課題や試験問題では、まさに、ゼロから自分で考えてみる力が試されているわけです。これが高校までの勉強とは大きく違うところといえるでしょう。

 

違うからと言ってでも不安に思う必要はありません。教養学部の授業には、考えるのに必要な知識や、考えたことを形にするノウハウが盛り込まれています。あとは頭を柔らかくして自由な発想を楽しめばよいのです!。

 

ある先生が、「学生は考えるのが仕事」とおっしゃっていましたが、まさに東大の授業こそ、学生が「仕事」できる最高の環境だと思っています。

 

 

 

頭で考えていても始まらない!身体をつかって「感じる」系の授業

 

さて、ここまでの二項目では、文理横断的な授業、思考力・創造力が鍛えられる授業を紹介してきました。しかし、いずれも頭を使うことには変わりありません。

 

そこで最後にご紹介するのは、「それ本当に授業なの?」とつっこまれてしまうような、頭ではなく身体で「感じる」系の授業です!

 

例えば、私がとったものには、東京近郊の低山を登って森林や林業について学ぶ授業がありました。ほかにも、図書館の裏側を見てみたり、大手企業をに訪問してみたり…。このように教養学部には、幅広い分野でフィールドワークの機会がたくさん用意されていまるのです。

 

テスト勉強や受験勉強では、「効率よく」勉強することが重要視されると思います。だからこそ、手間も時間もかけて身体ごと学びに行く体験は、やはり教養学部の醍醐味といえるでしょう!

 

 

 

 

まとめ

 

いかがでしたか? 入学後1年半で学べる「いろいろなこと」の幅広さを分かっていただけたでしょうか。さてここで、冒頭の「難問」をもう一度思い出してみましょう。

 

「東大でなに専門に勉強しているの??」。

 

この質問の後、私は言葉に詰まってしまうと言いましたね。どう答えるのが正解なんだろうか…。ちょっと考えてから私はこう言います。

 

「なんでも勉強しています!!」と。

 

東大の教養学部はきっと、皆さんが思っているよりずっと自由で、学生の知的好奇心を思う存分解放させてくれる場所、そしてそれに応える種々の学びの場を提供してくれる場所です場所とでいえます

 

今度東大生に出会ったら、「東大ってなんでも勉強できるみたいだけど、どんなことした?」と聞いてみましょう。きっと十人十色の面白い答えがすぐに返ってくるはずですよ!

 

窯戸いとのプロフィール画像

窯戸いと

農学部志望の文三2年生。リアルドラゴン桜講師。東大生どころか大学生に見えない(らしい)。Ca摂取に励みたい。