
公開 : 2022.04.03
順位を気にする人が失敗するわけ
いよいよ新年度が始まりました。学生の皆さんは、進学、入学おめでとうございます!
4月には実力テストなど、テストが控えているという人もいるのではないでしょうか?
どんなテストでもそうですが、順位というものが発表されます。あなたの成績は校内では3位で、全国では1402位でしたよ、といった具合ですね。どんなテストであっても、人よりも点数が良く高い順位にいるのは嬉しいものです。
しかし、テストや模試の結果を見るときに順位を気にする人というのは、実は大きな落とし穴にはまってしまう可能性があるのです。今回は、誰でも陥りがちなその落とし穴についてご紹介しようと思います!

順位は気にするべきではない?
テストで順位を気にするべきではない理由。それは、自分が伸び悩んだとき、他の人のことを考えてしまうからです。
簡単に言ってしまえば、「あいつの成績さえもうちょっと悪ければ自分の順位が上がるのに・・・」と思ってしまう、ということです。これこそ順位を中心に考えている人が一番陥ってしまいます。
この落とし穴。非常にタチが悪いです。
少し考えてみましょう。ぱっと見、順位づけというシステムは、やる気上昇にプラスの点があると考える人は多いのではないでしょうか?
自分の成績が伸びているときや、頑張って勉強を続けているときには非常に効果がありますよね。順位というのは頑張った結果を数字という目に見える形で表してくれるので、成功体験につながります。
勉強を頑張っているとき、順位が思ったよりも低かったら、「悔しい!次はもっと勉強してもっといい順位をとりたい!もっと勉強しよう!」というモチベーションアップにつながります。
このモチベーションアップの目的で校内順位を掲示板に貼り出している高校は一定数存在しているかと思います。
かくいう私の出身校も同じで、よく掲示された成績を見に行って、自分と同級生の順位関係を把握していたものです。同じような感じで、貼り出された順位を見に行ったことのある人もいるのではないでしょうか?
ここまで見るとタチの悪さがわからないですよね。でも、よく見てみてください。順位を知ることによるモチベーションアップ、これは自分にやる気があることが前提となっていることにお気づきでしょうか?
実は、順位を知るというのは、モチベーションが元々ない人には全く効果がないのです。

順位とモチベーションの関係
そもそも、順位が悪くて悔しいという感情が起こるのは、テストを受ける前に一定程度頑張ったからですよね。
一方で、全くテスト勉強する気もなく、とりあえずテストだけ受けておくかぁ、というような人の場合を考えてみましょう。このとき、別に順位なんか気にしないですよね。だって順位が高くないというのは分かりきってますから。
実は、気にしないのはまだマシな方です。一番怖いのは、勉強しないといけないことはわかっているし、人に負けるのはいやだ、と思っているにもかかわらず勉強する気が起きていないという分裂した人の場合です。
こうなると、単純に自分よりも初めから成績が悪い人を目標にしたり、自分よりも成績が良い人のことばかりをみて、「君は元から頭が良いもんね」と考えてしまいます。
順位が人よりもいいという感覚を得るために自分が頑張るのではなく、他人をより低いレベルだとみなしたり、自分とは別種の人間だと断定してしまうのです。
結局順位というのは、初めからやる気のない人には効果を発揮しないばかりか、悪影響を及ぼしてしまうのです。
悪影響の範囲は当人だけではなく、見下された同級生や、別格扱いされた同級生など、広範囲に及びます。大体、ランキングを張り出すことにより、各クラス1人はこういうタイプの生徒がいて、悪影響をクラス全体に及ぼします。

ランキングの意義って?
上へ上へと目指す。言い換えれば、向上心とともに主体性を発揮すること。これができていれば順位での競争意識は絶大な効果を発揮するでしょう。
しかし、あくまでも、順位は主体性を発揮しやすくするだけであって、主体性を生み出すものではないのです。この点を間違えると、意識する対象が自分のモチベーションアップではなく、他人のことを考えて自分のことを棚に上げることになってしまいます。
高校生の皆さん、ランキングに潜む罠にはまって自分の成長を妨げないように、気をつけてくださいね。

山田亮進
リアルドラゴン桜プロジェクト講師。主体的に勉強する楽しさを伝えるため日々奮闘中。オンライン授業の毎日で、生活は完全なニート状態。