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東大生が「ホンネ」で語る法学部の志望理由

東大生が「ホンネ」で語る法学部の志望理由

 

こんにちは!東大法学部3年、河内誠人です。

 

皆さん、大学の行きたい学部って決まっていますか?

 

比較的多くの人は、「どの大学に入るか」ということの方に関心が強く、「どの学部を選ぶか」ということはあまり考えていないかもしれません。

 

他にも、「そもそも各学部が何をしているかわからない」「どれを選んだらいいかわからない」「どこでもいい」など、いろいろな人がいると思います。

 

では、僕はどうやって学部を選んだか。今回の記事では、僕が法学部を選ぶまでの経緯、「ホンネ」の理由についてお伝えします。

 

僕の場合は、中学生くらいの頃からずっと、「法律ってかっこいい」「法律関連のことを勉強できたらいいな」という思いがハッキリしていました。そして、大学に入学するなら法学部に入ることも決めていました。早い段階で学部まで決めているというのは、割と珍しいタイプなのかなと思います。

 

なぜ法学部に行きたいのか、何がそんなに魅力的なのか、最初は自分でもよくわかっていませんでした。しかし少しづつ、自分の興味関心には、「ことば」や「論理」と関係しているという共通点があることがわかってきます。

 

その後、大学生活を経る中で、「やっぱり法学部だな」という思いが明確になりました。

 

これが、僕が法学部を選ぶまでのざっくりした経緯です。ここからはもっと詳しくお伝えします。学部選びに困っている人にとって、1つの例として参考になったら嬉しいです!

 

「ことば」と「論理」に魅力を感じ続けていた

 

はじめて法律に興味を持ったのは、小学校高学年の頃でした。

 

当時の僕はよくテレビで国会中継を見ていて、なぜかその様子に惹かれていました。大人たちが何を言っているのか、何について議論しているのかはさっぱり分かっていなかったのに、です。笑

 

当時の僕は、国会の場で議論している人が「国会議員」ということ、彼らが「法律」に関する議論をしていることを知りました。これが、法律に対する興味の始まりです。

 

しかし、「法律」そのものに特別詳しかったわけではありません。実際、大学生になるまで、「法律」そのものについて自分で勉強していたわけではありませんでした。高校で政治経済を履修したこともないくらいです。つまり、「法律」そのものに対して昔から知識を深め、そういう探究を大学でも継続したいから法学部に行った、というわけではないということです。

 

ではそこからなぜ法学部で学びたいと思ったか。それは、「ことば」と「論理」に対してずっと関心を持っていたからです。

もともと僕は、人と話すことが大好きでした。ただ談笑すること、くだらないことを言って笑い合うことはもちろん好きです。しかしそれ以上に、「議論すること」が好きでした。ハッキリした根拠に基づいて論理的に主張を展開すること、ことばを理路整然と紡いでいくことに憧れを抱いていたんです。

 

小学生当時の僕の目には、国会が、論理的なことばによる議論を展開する場所として映っていたのだと思います。だからこそ、その様子にどこか惹かれていたのでしょう。

 

また、僕は小学校の頃からずっと、本を読むのが好きでした。読むのは小説が中心でしたが、中でも小難しい言い回しをするような本をよく選んでいました。これも、「ことば」に対する興味の表れの1つだと思います。

 

中高を通じて得意かつ好きだった科目は国語でした。文章中でことばがどう定義され用いられているか、論理がどのように展開されるか。こうしたことを理解して答案に表現するのが国語という科目だと言えるでしょう。

 

昔から今に至るまで、自分が関心を持っていたことの共通点として「ことば」と「論理」があったこと。これこそ、僕が法律・法学部に興味を持った根本的な理由です。

 

大学で学んでみて、法学の魅力がより明確になった

こう言うと、「そういう興味があったのは分かるとして、なぜ法学部なの?」と思うかもしれません。僕自身も、そこがいまいちハッキリしていませんでした。「ことば」や「論理」に対する関心と法学部とのつながりは、自明のものではないはずです。

 

それに、昔からずっと法学部を志望していたと言いましたが、当時の僕の法律・法学部に対する理解は大したものではありません。せいぜい「法律というハッキリした根拠に従って議論している」「小難しいことば、言い回しを巧みに操っている」という程度です。正直、表面的に惹かれていたに過ぎません。

 

最終的に「やっぱり法学部だな」と納得できたのは大学に入ってからです。

 

大学1年生で、法学の入門となるような講義をいくつか受講しました。そして、授業を通して自分なりに勉強してみることで、法学がどういうものなのかを理解し、法学部への進学を納得できたのです。

 

僕なりの理解では、法学という学問の主な内容は、「法律という明文化されたルールをもとに、一つひとつの言葉の意味を丁寧に探求していくこと」、「法律が示していることを確かな根拠として議論を進めていくこと」です。

 

もちろん、「法学」とひとくくりにはできないことはたくさんありますし、自分自身の理解が浅いことも認識しています。しかし、法学が「ことば」と「論理」を正面から扱う学問だという理解は、そう間違っていないと思うのです。

 

例えば、刑法はそのいい例でしょう。刑法の条文は非常に簡素であり、だからこそ一つひとつの言葉の解釈が問題となります。

 

例えば刑法199条は「人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する」といいます。これだけ見ると非常に単純な条文ですが、その解釈は非常に奥深いです。

 

例えば「人」と言っても、受精卵が胎児になり、生まれてから成長して大人となり、死んでいくという過程があります。この内どこからどこまでが「人」なのかは、「ことば」の解釈の問題です。たった一文字ですが、そこには深い深い世界が広がっています。

さらに言えば、なぜ「死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処」していいのか、つまりなぜ人を罰していいのかも問題となります。冷静に考えて、ある人を長期間牢屋に閉じ込めたり、ましてや死刑という形で命を奪ったりするのは、「やって当たり前」のことではないはずですよね。どういう「論理」で刑罰を正当化するかということは、刑法を学ぶ上で外せない議論です。

 

(刑罰を科す根拠については、過去に僕が書いた以下の記事も参照してみてください。)

あなたも「懲役刑」を受けてしまうかも?侮辱罪の厳罰化について

 

このようにして「ことば」と「論理」と正面から向き合える法学は、まさに昔からの自分の軸にピッタリ沿ったものでした。「進学選択」(2年生から3年生に上がるタイミングで学部を選ぶ制度)でも、僕は迷わず法学部に進学しました。自分にとって、法学の魅力が明確になったからです。

 

法学部での生活はもうすぐ2年目に突入しますが、法学部に入ったことは全く後悔していません。むしろ、法学を思う存分学べる環境に来られて嬉しく思っています。とはいえ、試験勉強はとてもとてもつらいですが。笑

 

ともあれ、僕の場合はこういう理由で法学部を選びました。昔からの興味関心が実現できる場所が法学部だったんですよね。

 

皆さんも、進路選択に迷ったときは、一度立ち止まって「自分は何が好きなんだろう」「どんなことにワクワクするんだろう」という思いを巡らせてみると、学部選びのヒントが見つかるかもしれません。

 

また、僕の経験では、結局「やってみないとわからない」という部分もありました。法学部になんとなく興味があったとしても、その真の魅力に気づけたのは大学生になってからです。そういう意味では、高校生のうちから少しでも大学の勉強、学問に触れておけばよかったな、とも思っています。

 

いずれにせよ、僕の経験が少しでも役に立ったら嬉しいです。

 

 

河内誠人のプロフィール画像

河内誠人

カルペディエムLIFE編集長。法学部で勉強中。数年ぶりに紙のカードゲーム(デュエルマスターズ)復帰しました。